2000年09月20日
旭硝子、来年4月に九州電力管内の電力小売り事業に参入
ソーダ灰設備停止にともなう北九州工場の自家発設備を活用
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭硝子

 旭硝子は20日、北九州工場(福岡県北九州市)の自家用発電設備を使った電力小売事業への参入を決め、同日付で通商産業省に対し「特定規模電力事業開始届出書」を提出した、と発表した。今回小売りする電力は、約1万7,000kW(キロワット)で、九州電力管内の大口需要家に供給する。営業開始は2001年4月以降を予定している。九州で電力会社以外の企業が電力小売り事業に参入するのは初めて。
 旭硝子は、「シュリンク・トゥ・グロー(Shrink to Grow」の経営戦略のもと、事業の選択と集中を図ることで体質の強化と事業構造改革を実現するための施策を進めてきている。基礎化学品事業では、板ガラスやガラス壜の原料などに用いられるソーダ灰の事業収益改善のため、北九州工場で生産している合成ソーダ灰年産約35万トン設備や塩化カルシウム同約3万トンの生産を2001年3月末に停止、ソーダ灰供給元を同社が出資している米国天然灰メーカー品に集約することにしている。
 同社は、これらの施策により北九州工場の自家用発電設備(出力4万900kW)に余力が生じることから、その活用法を検討していたが、電機事業法の改正にともない、今年3月に一部自由化された大口電力の小売り事業への参入を決定したもの。
 供給は、九州電力の送電・配電設備を利用、同社管内の大口需要家に対し行う。すでに8月、九州電力の接続検討審査を終了しており、9月11日には接続供給契約申込書を提出している。このため発電余力が生じる2001年4月以降、接続供給の準備が整い次第、供給を開始する。なお、需要家との契約交渉は、電力会社の料金値下げが予定されている10月以降に順次実施していく考え。