2000年09月20日
ダイセル化学、ソルビン酸でカナダ産業省と司法取引~罰金支払に合意
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:ダイセル化学

 ダイセル化学工業は20日、食品の防腐・防黴用に使用されるソルビン酸およびソルビン酸カリのカナダ市場における過去の取引について、同国産業省より同国競争法違反の疑いで調査を受けていた問題について、このほど同省と司法取引を行い、罰金として246万カナダドル(約1億8,000万円)を支払うことで合意した、と発表した。
 この問題は、1989年1月から1996年12月までの期間を対象に、カナダでソルビン酸およびソルビン酸カリを販売する国内外複数の企業とともに同製品の公正な販売競争を阻害した疑いで、調査を受けていたもの。ダイセル化学のソルビン酸およびソルビン酸カリのカナダ輸出取引が同国競争法違反に該当するか否かの結論は出ていないが、同国における裁判の不確実性や裁判長期化にともなう時間的・費用的負荷、今後の事業活動への影響などを総合的に判断した結果、司法取引による解決が最善と判断、合意した。
 同国産業省と合意した罰金については、2000年9月中間期決算において特別損失として一括計上するものの、保有資産の売却により、これに見合う特別利益を計上する方針。
 同社は、法令の遵守は経営の基本であり、全ての事業活動において徹底に務めてきたにも関わらず、今回のような事態が生じたことは遺憾であるとしている。また、従来から企業として遵守すべき倫理規準を明確化、と国自由かつ公正な競争については、役員をはじめ従業員全員に周知徹底を図っているが、これを再度徹底、継続的に啓蒙活動を行うなどの諸施策を実施していくことで、企業としての社会的責任を果たしていく所存であるとしている。