2016年04月08日
九大、植物表皮の複雑なかたち メカニズム解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東京大学、九州大学

九州大学大学院の三浦岳教授(医学研究院)らの研究グループは8日、東京大学およびエルピクセル社(本社、東京都文京区、島原佑基社長)との共同研究で、植物の表皮細胞の複雑なかたちが形成されるメカニズムを世界で初めて解明したと発表した。

同グループによると、双子葉植物の葉の表面の細胞は美しいジグソーパズル様のかたちをしている。植物の細胞壁の合成ー分解の分子回路を数理モデル化したところ、これまで頭骸骨の縫合線のパターン形成に用いてきた数理モデルと全く同じであることがわかった。九州大学の数値シュミレーション、東京大学の実験、エルピクセル社の画像解析を組み合わせ、細胞壁が一定の厚さを保ったまま湾曲構造を形成するメカニズムの一端が解明された。

医学と植物学の間を数学が仲立ちするという「超異分野」融合研究によって、これまで全く分かっていなかった植物細胞の形づくりの仕組みが明らかとなった。

同研究成果は4月7日、米国科学誌「PLOS Computational Biology」オンライン版に掲載された。


<用語の解説>
■数理モデル化とは :ある現象に含まれる因子群の相互作用を微分方程式の形で書き表すこと。