2016年04月18日
東大、ナトリウムイオン電池のプラス極開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東京大学

東京大学大学院の山田淳夫教授(工学系)、大久保将史准教授らの研究グループは18日、リチウムなどの希少元素を使用しない次世代電池候補であるナトリウムイオン電池のプラス極を開発したと発表した。

リチウムをナトリウムに置換したナトリウムイオン電池は、国家戦略の観点からも開発が急がれるが、実用可能な水準まで電池を高機能化するためにはナトリウムイオンを吸蔵・放出する化合物(プラス極とマイナス極)の開発が必要だった。

山田教授らの研究グループは、層状の酸化物に多量に含まれる酸化物イオンが酸化・還元反応を示すことを発見した。従来、このような反応を起こそうとすると、酸素が乖離したり、結晶の構造が変化して安定な酸化・還元反応は起こらないとされてきた。従来のプラス極に比べて1.4倍の電気量を蓄えることが可能となった。

文科省「元素戦略プロジェクト」による成果。
詳細は科学誌「Nature Communications」に掲載。