2016年04月20日
森スチレン工会長「買い控えなく出荷順調」
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

日本スチレン工業会の森幸博会長(PSジャパン社長)は19日の定例会見でポリスチレン(PS)の国内出荷状況について「昨年と違い、買い控えが起きていないので1-3月は順調に推移した」と、昨年を上回る出荷に期待を示した。
買い控えが起きない要因については「今年は、原料のスチレンモノマー(SM)価格が上昇している。その結果としてPSの輸入も前年より増加する傾向をみせており、国内出荷増加を下支えしている」と分析した。この傾向は今後もしばらく続くと予想されている。

■3月のPS国内出荷、6カ月連続でプラスと好調
日本スチレン工業会は19日、3月のポリスチレン(PS)及びスチレンモノマー(SM)生産出荷実績を発表した。
PSの生産は、4万9805トン、前年同月比13%減で昨年10月以来5か月ぶりの前年割れとなった。これは「3月上旬から1社1工場がプラントの定期修理に入ったため」(森幸博・日本スチレン工業会会長)。国内出荷は5万3943トン、同11%増で昨年10月以降6カ月連続の前年比プラスとなった。とくに包装用、フォームスチレン(FS)用、電機・工業用、雑貨・産業用の4用途が揃って2カ月連続のプラスと好調であった。輸出は2410トン、同29%増で5カ月連続のプラスであった。この結果、出荷計は5万6353トンン、同12%増で6カ月連続のプラスとなった。月末在庫は、生産が減少して出荷が増加したため、9万4516トンで前月比7%減であり、在庫水準も2月の2・0カ月分から1・7カ月分に減少した。

一方、SMの生産は12万8930トン、同46%減で6カ月連続のマイナスとなった。今年は春の定期修理が多い年であるうえ、2月中旬から旭化成ケミカルズの1系列(年産能力32万トン)が恒久停止となったのが影響した。国内出荷は定期修理の影響もあって9万4465トン、同12%減となり、5カ月ぶりに前年割れとなった。輸出は、5万1612トン、同63%減の大幅な減少となった。これは、プラントの定期修理の影響と、日本オキシラン停止の生産減分が輸出減につながった。この結果、出荷計は14万6077トン、同40%減で6カ月連続の前年割れとなった。