2000年09月19日
旭硝子、蘭DSMバイオロジクスと共同でバイオジャパン2000に出展
ASPEX技術を紹介/蛋白質医薬品原体受託製造を共同展示
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:DSM、旭硝子

 旭硝子は19日、蛋白質医薬品原体受託製造分野で世界有数の企業である蘭DSMバイオロジクス社と共同で、26~28日にかけて東京の新宿京王プラザホテルで開催される「バイオジャパン2000」に出展する、と発表した。同社の開発したASPEX(アスペックス)技術を紹介するとともに、蛋白質医薬品原体受託製造について、DSMバイオと共同で展示する。
 ASPEX(Asahi Glass Schizosaccharomyces Pombe Expression System)技術は、ファインケミカルズ分野における次世代技術として、旭硝子が中央研究所で開発した酵母を利用した蛋白質の生産技術。旭硝子は、4月1日付で「ASPEX事業推進部」を設置、医薬・化学・食品メーカーをはじめとした顧客を対象に、蛋白質を提供する酵母利用蛋白質生産事業に本格参入している。すでに同技術を用いた欧米バイオベンチャーや製薬企業からの受託では、各種蛋白質の生産システムを構築しており、高い評価を得ている。また蛋白質製造設備として、年産300リットルの培養槽および精製設備を神奈川県横浜市に有し、顧客のニーズに応じたcGMP対応製造が可能となっている。
 一方、DSMバイオロジクスとは、今年初めから共同で日本における市場調査を進めてきた。蛋白質製造技術には、微生物利用技術以外に動物細胞を利用した製法があるが、DSMバイオとの共同関係により、日本の顧客に対し両製法による蛋白質の生産を提供することができるようになった。
 蛋白質医薬原体としては、抗体医薬品・ワクチン・血液ホルモン・医薬用酵素などが期待されているが、旭硝子はこれら蛋白質の製造に対し、ASPEXをはじめ広範な顧客ニーズに対応できる体制を構築している。
 同分野の市場規模は現在、全世界で500億円程度であるが、年率20%を超える勢いで伸びており、2005年には約2,000億円の市場に拡大すると予想されている。まだ日本の市場規模は小さいものの、すでに多くの引き合いがあり、今後急速な拡大が期待されている。
 ASPEX偉業推進部では、国内外の製薬・化学・食品・酵素メーカーなどを対象に、積極的な事業拡大を図り、同分野で世界トップ企業を目指していく考え。