2016年04月25日
旭化成・新中計、18年度売上高2・2兆円目指す
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成
小堀秀毅社長

旭化成は25日、2016~18年度の3カ年の新中期経営計画を策定したと発表した。
同社は4月から事業ポートフォリオを「マテリアル」(繊維・ケミカル、イーマテリアル、エレクトロニクス)、「住宅」(ホームズ、建材)、「ヘルスケア」(メディカル、ファーマ、ZOLL)の3事業領域に再編し、事業持株会社制に移行しした。小堀秀毅社長は「これにより成長・収益性の追求や新事業創出、グローバル展開を加速していく上でバランスのとれた体制が整った」と強調した。

経営指標として、18年度の売上高2兆2000億円(2015年度予想は1兆9540億円)、営業利益1800億円(1640億円)、純利益1100億円(900億円)、自己資本利益率(ROE)は9・0%(8・1%)、株主還元性向35%(31・0%)を目指す。同社は10年後(2025年)のあるべき姿として、売上高3兆円、営業利益2800億円、ROE10・0%を展望しており、今回中計はそのベースづくりとなる3カ年と位置づけた。

3領域の基本目標として、マテリアル領域は「収益力向上」、住宅領域は「安定継続成長」、ヘルスケア領域は「高成長」を掲げた。同社が強みとする「多彩な技術」と「多角的な事業」を組み合わせて今後の展開を図る。
また、重点分野として(1)環境エネルギー(水素製造システム、ガス分離システム、ガスセンサ)(2)自動車分野(ガスセンサ、高機能複合材、電池用材料)(3)ヘルスケア分野(新殺菌システム、新素材)の3分野をを挙げた。新体制融合の効果を今後の戦略に生かす。

3年間の総投資額は7000億円を予定。既存事業の拡大と維持に各年1000億円。残りは収益性を最優先して新規事業の投資やM&Aに充てる。

<2018年度の売上高目標> 単位:億円( )15年度予想
◇マテリアル:12,500(10,170)
◇住宅領域 : 7,000(6,370)
◇ヘルスケア: 3,700(2,870)

また、旭化成建材による「杭工事問題」について、小堀社長は「信頼回復のため“三現主義”(現場・現物・現実)を基本に、海外も含めてコンプライアンスを徹底する」と力を込めた。新中計への影響についてはどうか、との質問には「受注などへの影響はあまり出ていないし、新中計にもマイナス要因として特に考えていない」と答えた。


ニュースリリース
http://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/ir/library/initiative/pdf/160425jpn.pdf