2016年05月12日
デンカ、健康関連事業を中核から「主力事業」に拡大
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:デンカ

デンカの吉髙紳介社長は11日の決算説明会見で、ワクチンや検査試薬などの健康関連事業について、現在、売上高300億円、営業利益で全体の30%を占める約90億円の中核事業になっているが、「Denka100目標」を達成する2017年度には売上高900億円、営業利益(目標600億円)で40%以上を占める250億円を目指し、主力事業に強化する方針を明らかにした。

同社の健康関連事業は、ワクチン事業、検査試薬事業、ヒアルロン酸事業の3本柱で構成しており、2007年には同社営業利益299億円の12%を占めるだけであったが、2015年には全体の営業利益が306億円で過去最高となり、このうち健康関連事業は30%を占めて中核事業の一つに成長した。

同社の吉髙社長は、「がん領域、遺伝子検査、健診の3領域で、外部との協業やM&A(企業の合併・買収)などで領域を拡大し、事業拡大を図る」方針を示した。とくに、がん領域の拡大では、新規がん治療薬の開発、がん治療情報の提供サービス事業、ピロリ菌等検査試薬によるがん検診領域の拡大に取り組む方針。

また、Icom/植物培養によるタンパク質発現技術による新規ワクチンの開発、悪玉コレステロール分野の試薬である脂質亜分画試薬による健診領域の拡大など、新規事業の展開を積極的に進めていく方針である。

同社の「Denka100目標」で2017年に営業利益600億円達成を目指しており、その時点で健康関連事業が全体の40%(2015年には30%)を占める主力事業とする計画。その場合、構成比率は環境・エネルギー30%(同25%)、基盤事業20%(同42%)、インフラ10%(同4%)となる。