2016年05月12日
トクヤマ、新中計「再生への礎」新ビジョン
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:トクヤマ

16年3月期決算で巨額な減損損失を計上したトクヤマの横田浩社長は12日、「再生の礎」とうたった2016年~21年の5カ年新中計を発表した。“国内汎用品市場の成長鈍化が予想される中、半導体向け多結晶シリコン以外に新製品が打ち出せなかった”との反省を込めた現状認識から「組織風土の変革」、「事業戦略の再構築」、「グループ経営の強化」、「財務体質改善」の4つを重点課題に掲げた。

事業戦略の再構築では、成長事業(特殊品、ライフアメニティ、新規事業など)について「トクヤマの特有技術で先端材料の世界トップになる」ことを目指し、伝統事業(化成品、セメントなど)は縮小する市場の中で勝ち抜くため「競争力で日本トップになる」との意欲を示した。

最終年度(21年度)の目標数値として売上高3350億円(2015年度3071億円)、営業利益は360億円(同230億円)で量より質を重視し、高付加価値品へのシフトとコスト削減に積極的に取り組む。ROEは10%以上(同5・7%)、売上高営業利益率は10%以上(同7・5%)達成を目指す。

設備投資計画は、5年間で960億円とし設備投資の26%を新増設投資に充て成長への足場作りを進める。これとは別に戦略的投資枠200億円を設定し、成長事業の拡大や独自技術による伝統事業の競争力強化を進める。

最大課題であるトクヤママレーシアの再建については、2018年度に売上高180億円(2016年度は110億円)、営業利益20億円(同40億円の赤字)とし、通期黒字化を目指す。また、トクヤママレーシアの1号機は、これまで2号機のバックアップのため活用するとの方針を打ち出していたが、横田社長は「今後、タイミングを見て休止する」意向を明らかにした。また2016年3月期の配当金は無配とする方針。


ニュースリリース
http://www.tokuyama.co.jp/ir/report/briefing/pdf/2016/2016mar_managementplan.pdf