2016年05月18日
宇部興産・山本社長「化学部門 完全復活めざす」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:宇部興産

宇部興産は18日、2016~18年度新中計「Change & Challenge 2018」を発表した。山本謙社長は15年度に終了した前中計が目標未達に終わったことへの反省を込めて「化学部門の完全復活」を課題の第1に挙げ(1)利益率を強く意識しコストダウンを徹底する(2)成長に向けた投資を積極的に行う(3)海外拠点との連携強化(4)化学部門の復活と次の成長ステージの確立ーの4本を柱とする基本戦略を掲げた。

2018年度の数値目標は、営業利益500億円(15年度414億円)、経常利益490億円(396億円)、最終利益200億円(191億円)、売上高営業利益率(ROS)6.5%以上(6.5%)、自己資本利益率(ROE)9.0%以上(7.2%)とし、達成をめざす。「目標として高くないと見えるかも知れないが、18年度はアンモニアと自家発設備の定修実施年に当たり、大きな減益要因となる。低くはない目標だ」と山本社長。

事業ポートフォリオでは「育成分野」に新規電池材料、機能性無機材料(蛍光体、光学材料など)、バイオマス燃料、航空分野(チラノ繊維)のほか環境資材(中性固化材、重金属不溶化材)などを将来の収益源とした。得意分野で今後も市場拡大が見込める「積極拡大事業」にはナイロン、合成ゴム、セパレータ、高機能コーティング、医薬の各事業のほか建材部門でファインマテリアル、機械部門では収益性の高い機会サービスに重点を置く。

3年間の設備投資額は1500億円。うち1300億円を基盤事業の合理化、安定化に充て、200億円を投融資資金とする。同社は来年操業120周年を迎える。主力の化学事業を柱に徹底したコストダウンと収益力向上を図り、未達に終わった営業利益500億円達成に向けて再チャレンジする。