2016年05月25日 | |
小林日化協会長「化学産業は持続可能な社会に貢献を」 | |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:日本化学工業協会 |
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日本化学工業協会の小林喜光会長(三菱ケミカルホールディングス会長)は25日の定例会見で、在任中の2年間を振り返っての印象や感想を以下のように語った。 【経済情勢】日本全体としてはアベノミクスがうまく作用し、比較的堅調に推移した。ただ、足元は中国や新興国の減速、中東の不安定化など先行きが見通せない状況にある。化学産業はエチレン稼働率が就任当初から90%台に入り汎用品、高機能材製品とも高稼働を続けたが、やはり足元は、原油価格、為替など不安定な状況にある。伊勢志摩サミットで現状を打破する効果的な対策が打ち出されることを期待したい。 【気候変動対応】世界的には資源、食糧・水不足、気候変動など「グローバル・アジェンダ」への取り組みが前進した。昨年末のCOP21では「パリ協定」が採択され、途上国支援の枠組みなどで合意が得られた意義は大きい。日化協はICCAの気候変動問題で、世界化学産業のリーダーとして、これらの活動に積極的に取り組んできた。温暖化対策の効果的な評価手法として、cLCA分析(カーボンライフサイクル分析)をグローバル・スタンダードとなるよう各機関に積極的に働きかけてきた。理解も深まったと思う。 【3つのキーワード】私は就任当初から「安全の強化と水平展開」、「イノベーションの創出と社会への貢献」、「社会とのコミュニケーションのさらなる向上」の3つをキーワードに掲げ、日化協の活動方針としてきた。それぞれに一定の成果はあげられたと思う。アジア諸国に対するRC活動でいえば「RCIP(アールシップ)」という新たなプログラムを立ち上げ、インドネシア、ベトナム、ミャンマーなどに情報を提供してきた。昨年は石化協と共同で「日中化学産業会議」を開催し、有意義な情報交換を行うことができた。今年は9月13日に上海で行われる予定だ。 【最後に】世界は今、大変革期に突入している。また「グローバル・アジェンダ」を抱える中で、ソリューション・プロバイダーとしての化学産業への社会からの要求や期待はますます大きくなりつつある。日化協が新会長の下「持続可能な社会」の実現に大きく貢献し、飛躍を遂げることを期待する。 |