2016年05月26日 |
旭硝子「非晶質エレクトライド薄膜」量産化へ |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:旭硝子 |
旭硝子は26日、東京工業大学の細野秀雄教授の研究グループが開発した「C12A7 エレクトライド」を用いた均一な非晶質薄膜を開発し、量産化するために必要なスパッタリングターゲット材の工業化と商業生産を開始したと発表した。 C12A7は、アルミナセメントの構成成分の1つで、内径0.4nm程度の籠状の骨格が面を共有してつながった構造をしており、この籠に酸素イオンが含まれている。細野教授らの研究グループは、この籠中の酸素イオンをすべて電子で交換し、金属のように電気をよく流し化学的にも安定し、取り扱いの容易な「C12A7 エレクトライド」を開発した。さらにこの特徴を保持したC12A7エレクトライドも作製できることを示した。 旭硝子グループが開発したターゲット材を用いた、スパッタリング工程から得られる非晶質C12A7エレクトライド薄膜は可視域で透明で、金属リチウムと同程度に容易に電子を放出し、大気中でも化学的に安定というユニークな特徴を持っている。細野グループが開発したTFT素子と組み合わせることで、デバイス構造として有利な逆構造型有機ELディスプレイでも、駆動電圧の低い電子輸送層を安定して高い歩留まりで製造することができる。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1464249992.pdf |