2016年05月30日
カネカ、核酸クロマトによる食中毒検査キット発売
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:カネカ

カネカは30日、独自の核酸クロマト技術により食中毒菌「リステリア・モノサイトゲネス」を高感度、迅速に検出できる検出キットを開発、6月から販売開始すると発表した。

「リステリア・モノサイトゲネス」はヒトへの病原性を持つ嫌気性細菌。発症すると通常の食中毒と異なり、髄膜炎や敗血症を併発しやすく死亡率30%と高い。自然界に広く分布し、哺乳動物から昆虫まで広い宿主を持つためあらゆる食品が汚染される可能性があるなど危険性が高い。

食品工場などでは一般的に公定報(培養法)による検査を行っているが、検査工程が煩雑なうえ結果判定に1週間程度を要するため簡便・迅速な検査方法が求められていた。

カネカがが今回開発した検査キットは、一晩培養した菌を核酸PCRで増幅させ、核酸クロマト型チップ(試験紙)で調べると約10分後には結果を目視できる。検査に慣れていなくても簡単に取り扱いできる。食品メーや取扱店にとっては、製品出荷までの時間を大幅短縮できる特徴がある。
同社はサルモネラ菌など他の食中毒菌向けにも製品ラインアップを積極的に広げていく方針だ。