2000年09月13日 |
PPSコンパウンド、世界需要は今年4万6,000トン規模に |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
PPS(ポリフェニレンサルファイド)の世界需要規模は、コンパウンドベースで今年4万6,000トン規模を突破する見通しだ。特に日本は、今年上期は昨年下期に比べ成長が鈍化しているものの、下期は上期を上回る成長が期待されており、通期で2万トンを超える規模に拡大すると見られている。 国内PPSメーカーによると、現在のPPSコンパウンドの需要は日本が約2万トン、北米が1万トン、欧州が6,000~7,000トン、日本を除くアジア地域が4,000~5,000トン程度と見られ、世界全体で4万~4万2,000トンの需要がある。PPSは年率15%前後の成長が続いており、今年末には4万6,000~8,000トン規模に拡大すると予想される。 これに対しベースレジンの生産能力は約3万2,000トンで、コンパウンドに換算すると6万4,000トン前後の能力があることになるが、実際にはグレードの多様化などもあり、実際の生産量は5万トン前後と推定されている。このため需給はウェルバランスかややタイトな状態で推移している。ベースレジンの生産能力は増強により今年中に3万5,000トン規模に拡大するものの、需給バランスはそれほど変化しない見通し。 最近は特に、IT関連需要が急速に成長していることから、需給はさらにタイト化する可能性も出ており、各社が新増設を検討している。またPPSと競合するLCP(液晶ポリマー)や、芳香族ナイロン樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)などとは、性能や用途で住み分けが進んでいる。 <参考>※http://www.c-nt.co.jp/cgi-bin/passFile.cgi?FILE=data/pj/pjpps>世界のポリフェニレンサルファイド設備計画 |