2016年06月09日
昭和電工、SiCエピウェハーの生産能力増強
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:昭和電工

昭和電工は9日、パワー半導体材料である炭化ケイ素(SiC)エピタキシャルウェハー(エピウェハー)の高品質グレード、「ハイグレードエピ(HGE)」で月産3000枚の生産体制を確立し、量産開始したと発表した。

「HGE」は、結晶欠陥を大幅削減したSiCエピウェハーで、昨年10月に同社が開発。国内外デバイスメーカーから高いサンプル評価を得たため量産化準備を進めてきた。基底面転位を0.1個/㎝2以下に抑えることで“SiCーMOSFET”の信頼性向上に寄与する。これにより、従来技術では困難とされていた、バイポーラデバイス向け厚膜およびP型エピウェハーの量産も可能となった。同社の厚膜HGEは今後、発電・送電系統向け超高耐圧デバイス「SiCーIGBT」の開発にもつながると期待されている。

<用語の解説>
■基底面転位とは :SiC単結晶の基底面に発生する転位。
■「SiCーIGBT」とは :絶縁ゲートバイポーラ・トランジスタの略。MOSFETの高速スイッチングとバイポーラ・トランジスタの高電圧・大電流処理能力を併せ持つ。


ニュースリリース
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1465447266.pdf