2000年09月13日 |
信越化学、鹿島に光ファイバー用プリフォーム工場を建設 |
年産1,200万km、300億円投じ来年11月完成 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:信越化学工業 |
信越化学工業は13日、光ファイバー用プリフォームの新工場の建設に着手した、と発表した。投資額は約300億円で、2001年11月の完成を予定しており、光ファイバー換算で年産1,200万キロメートル能力で操業を開始する。 同社は現在、群馬県碓氷郡の松井田工場に年産1,200万キロメートルの光ファイバー用プリフォーム工場を有している。新工場の建設地は、茨城県の鹿島臨海工業地帯東部東地区で、完成により生産能力は2,400万キロメートルに倍増することになる。 今回の新工場建設は、光ファイバー網の拡大にともなう旺盛な需要に対応するもので、2工場による安定供給体制の整備と、最新技術の採用および能力増強によるコストメリットなどを目指している。さらに、市場動向に応じて2~3倍の増強が可能な体制を整えている。 光ファイバー用プリフォームは、円筒型の合成石英ガラスで、これを彦のバスことで光ファイバーとなる。信越化学は、最大で直径160ミリメートル、長さ1,500ミリメートルのプリフォームの生産を可能としており、これを引き伸ばすと2,000キロメートルの光ファイバーとなる。 同社は、主力事業のシリコンウェーハやシリコーンなどで蓄積してきたケイ素化学技術を用いて、早くから合成石英事業に取り組んできた。100%子会社のシムコア社(西オーストラリア)の良質な天然ケイ石、金属ケイ素から、クロロシラン、合成石英製品に至るまでを一貫して生産している。また、関連会社には合成石英専門の信越石英を擁し、合成石英事業で多くのノウハウを持つ。こうしたことを背景に、1979年に世界ではじめてIC用フォトマスク基板の量産化に成功、1993年には光ファイバー用プリフォームの量産化技術を確立し、現在内外の電線メーカーに供給している。 |