2016年06月20日
富士フィルム、肌のコラーゲン代謝促進成分開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:富士フイルム

富士フィルムは20日、肌のコラーゲンを代謝を促進する成分として、ビタミンA(レチノール誘導体)と、抗酸化成分(アスタキサンチン)を組み合わせ、粒子径を世界最小クラス50nmサイズにナノ乳化した独自成分「ナノビタミンAx」の開発に成功したと発表した。

皮膚のハリや弾力性の低下は、加齢や紫外線によって断片化したコラーゲンが肌の内部に蓄積されることが原因と考えられている。これを防ぐには貯まったコラーゲンを分解し、新たなコラーゲンを産生する必要がある。これまでコラーゲン産出量を増加させる研究は多く行われてきたが、劣化したコラーゲンが真皮に与える影響についての研究はあまり進んでいなかった。

富士フィルムはこのほど、長時間紫外線あたることによってコラーゲン分解酵素が活性化し、コラーゲン繊維の一部が切断されることが皮膚のハリや弾力性を失わせる一因になるとするメカニズムを解明した。また、皮膚のコラーゲンを再生させることが重要と考え、「Endo180」と呼ばれるレセプター(受容体)タンパク質を介したコラーゲンの再生メカニズムについて研究を進めた。その結果、「Endo180」が断片化したコラーゲンを特異的に認識し、細胞内に取り込む重要な役割を担っていることを突き止めた。

さらにレチノールによって「Endo180」が増加することを確認した。レチノールとコラーゲンペプチドを合わせて添加すると「Endo180」がより増加することを見出した。ここから今回、レチノール誘導体とアスタキサンチンを組み合わせて、独自成分である「ナノビタミンAx」の開発に成功した。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1466399859.pdf