2016年06月29日
理研、高松塚古墳・キトラ古墳の微生物株公開
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所のバイオリソースセンター微生物材料開発室(BRC-JCM)は29日、2016年6月末に文化庁から移管作業を完了した「高松塚国府壁画およびキトラ古墳壁画」から分離された微生物(カビ、酵母、細菌)約730株について、7月から学術利用を目的とした提供を開始すると発表した。

理研のBRC-JCMは今回、奈良県明日香村にある高松塚古墳およびその南約1.5キロに位置するキトラ古墳から採取、分離した微生物株の中から、学術的に重要と考えられるカビ・酵母・バクテリアの約730株について、文化庁から一括した寄託を受け入れた。これによって、高松塚古墳・キトラ古墳の壁画からの微生物株の保存・維持が可能になり、理研から世界の研究者に対して、学術利用のための微生物株の提供が可能となった。

微生物株は、壁画の劣化メカニズムについて研究を進めていくうえで貴重だが、古墳石室内という希有な環境を分離源としている点でも希少な微生物といえる。今後、学術研究の進展につながることが期待されている。