2000年09月11日
SABIC、PTAの本格稼働遅れる
三井化学への供給、当初の契約量にはとどかず
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三井化学

 業界筋によると、SABIC(サウジ基礎産業公社)が建設を進めていたPTA(高純度テレフタル酸)プラントの立ち上げが遅れており、稼働は開始しているものの依然として稼働率が思わしくない状況が続いている。
 このプロジェクトはSABIC傘下のアラビアン・インダストリアル・ファイバーが、サウジアラビア・ヤンブーに今年1Qの稼働開始予定でPTA年産35万トン設備建設を進めていたもので、同国では初のPTAプラントとなる。
 稼働後は、同社が持つボトル用PET、繊維向けに自消を行うほか周辺ユーザーに供給を行っていくが、三井化学とPTA、EG(エチレングリコール)の販売提携を締結し、日本ではSABICジャパンが販売しているEGについて、既に今年前半から年間2万トンベースで三井化学にOEM供給を行っている。PTAは年間4万トンベースで、三井化学が引き取りパキスタン・インド市場をメインに供給を行っていく。
 しかし今年度については、PTAの本格稼働が遅れていることもあり、当初の契約量にはとどかないものと見られている。
 なお、設備については問題がないとされており、運転面の調整などにより本格稼働は年末から来年初頭にずれ込むと見られている。