2016年07月06日
京大、アルツハイマー病に特異な抗体開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

京都大学は6日、入江一浩教授(農学研究科)らのグループが、アルツハイマー病(AD)の原因物質と考えられているアミロイドβタンパク質において神経細胞に対して毒性を持ちやすい立体構造を標的とする抗体「24B3」を開発したと発表した。
標的とした立体構造は毒性コンホマーと呼ばれ、この毒性を持つ比較的少数のAβ42の分子どうしが結合(オリゴマー化)することで神経細胞に毒性を示し、アルツハイマー病を発症するという説が提唱されている。今回開発した抗体を用いてAD患者とADではない人の脳脊髄液を解析したところ、AD患者からはより多くの割合で毒性コンホマーを含むAβが確認できた。今後この抗体がより正確、早期にADを診断するためのツールとして活用されることが期待できる。

同研究成果は7月4日、英国の学会誌「Scientific Reports」に掲載された。