2016年07月07日
理研、寄生植物の侵入メカニズム一端を解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所は7日、植物免疫の国際共同研究グループが、寄生植物の寄生開始の際に形成する侵入器官の発生に、局所的なオーキシン生合成が重要であることを発見したと発表した。

ハマウツボ科に属するストライガなどの寄生植物はソルガムやトウモロコシなどの主要な穀物の根に寄生し、収穫量を大幅に減少させるためアフリカなどで深刻な問題となっている。ハマウツボ科の寄生植物は根に「吸器」と呼ばれる侵入器官を発達させ宿主植物の根に侵入して水分や栄養を奪う。だがこれまで「吸器」の発生メカニズムは、ほとんど分かっていなかった。

国際共同研究グループは、吸器の発生に関わる遺伝子を探すために、コシオガマという日本に自生する寄生植物をモデル植物として確立した。そして次世代シーケンサーを用いた網羅的な解析から、吸器発生初期に発現が変動する遺伝子を買数同定した。

寄生植物による農薬被害への効果的な対策はいまだに発見されていない。今回の研究から寄生への最初のステップである吸器の発生メカニズムの一端が見えてきた。今後研究が進めば寄生植物対策への応用が期待できる。

同研究は米国の科学誌「ThePlantCell」オンライン版7月6日付(米国時間)に掲載の予定。