2000年09月11日
ポリスチレン、アジア市況が880~930ドルに上昇
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 PS(ポリスチレン)のアジア市況が上昇している。中国市場が、10月末まで米国のクリスマス商戦用の玩具や雑貨向けを中心に需要期を迎えていることなどによるもので、これが原料SM(スチレンモノマー)の市況を押し上げる一因となっている。市場関係者は、必要以上に上がり過ぎるとアジア市場に大きな影響を与えかねないと懸念している。
 PSのアジア市況は、年初から高騰、GP(汎用)PSの価格は3月下旬にトン当たり1,040~1,080ドルを記録した後、800ドル台前半まで下落した。6月に再び850ドル前後まで上昇した後は830~840ドル前後で推移していたが、9月に入って再度上昇、現在は880~930ドルで推移している。
 中国市場は、8~10月にかけて米国のクリスマス商戦を狙った玩具や雑貨向けの用途がハイ・シーズンに入るため、基本的には旺盛な需要が期待されるが、同国のPSメーカーは最近、採算の確保できるレベルのSMが確保できない場合には、一時的に設備の操業を止めるなどの措置を取るようになっている。現在SMのアジア市況はトン当たり800ドルを突破しているが、今の所SMの引き合いは衰えていないと見られ、PSの市況も10月いっぱいは上昇傾向が続く見通しだ。
 ただし、このままPSの市況が上昇していくと、ユーザーの買い控えが起こる可能性があること、また、需要期が終わる10月末~11月に再び市況が落ち込む可能性もあり、アジア市況への影響を懸念する声も聞かれる。