2016年07月07日
淡輪石化協会長ら会見「事業基盤整備など急ぐ」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:三井化学、石油化学工業協会

石油化学工業協会は7日の定時総会で新年度会長に淡輪敏三井化学社長、副会長に市川秀夫昭和電工社長、池田全徳日本触媒社長、横田宏幸東燃化学社長の各氏を選出した。

総会後の記者会見で淡輪新会長は、「エチレンの稼動率が過去30カ月にわたり90%以上とフル稼働状態を続けているが、重大事故がなく安全・保安への対応ができている。浅野前会長らのお陰だ」と前置きし、石化業界が抱える重要課題として(1)保安・安全対策(2)事業基盤の整備(3)グローバル問題への対応ーの3点を挙げた。業界の現状については「需給面から見て締まった状態にある。2017年後半まで続くのではないか。だが18年以降は米国のシェールガスや中国の石炭化学の影響が出てくる可能性がある。競争力をどう保っていくかが重要になる」との見方を示した。世界経済の現状については「英国のEU離脱以来大きく揺れている。為替や株価の動きなど冷静に見ていく必要がある」と強調した。

最近の円高を企業としてどう見ているかという各氏への質問には「100円の円高といっても、80円時代を経験しているし、とくに円高という感じはない。需要面への影響もまだ出ていないようだ。対応は考えないといけない」(市川氏)、「機能性化学品など差別化製品の充実で対応するしかない。エチレングリコールなど非差別化製品には打つ手が見つかっていない」(池田氏)、「原料は親会社から供給を受けており、為替の影響は直接的には出ていない。輸入品への影響などは慎重に見ていくつもりだ」(横田氏)と答えていた。


左から池田、市川、淡輪、横田の各氏。右端は志村専務理事