2016年07月08日
京大、血糖調節の新たなメカニズムを解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

京都大学は8日、西英一郎・医学研究科特定准教授らの共同研究グループが、ナルディライジンというタンパク質について、血糖上昇時のインスリン分泌に不可欠であり、血糖値を一定の範囲に維持するために重要な働きを担っていることを明らかにしたと発表した。

糖尿病は血糖値が高くなる病気であるが、血糖調節ホルモンのバランスが崩れていること、特に血糖上昇時にインスリンが充分分泌されないことが主たる原因の一つと考えられている。

共同研究グループは、ナルディライジンが全身で欠損したマウスを作製して、グルコースを投与する負荷試験を行ったり、膵島(膵臓に島のように点在している膵β細胞)の遺伝子発現を調べるなどし、膵β細胞のナルディライジンがインスリンとグルカゴンの分泌をコントロールし、血糖値を一定の範囲内に保つことに必須であることを明らかにした。ナルディライジンの量や働きをコントロースすることにより、新規の糖尿病治療法の開発につながる可能性が示された。
この研究成果は、7月6日(米国時間)に米国科学誌「Diabetes」オンライン版で公開された。