2016年07月22日
東北大、超軽量の形状記憶マグネシウム合金 開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東北大学

東北大学大学院の小川由希子氏、須藤祐司准教授らの研究グループは22日、形状記憶特性を示すマグネシウム合金の開発に成功したと発表した。従来の形状記憶合金(ニチノール)に比べて比重が約1/3と極めて軽く、航空・宇宙材料など軽量性が求められる工業製品への適用が期待される。

研究グループは、マグネシウムにスカンジウム(Sc)を添加したMg-Sc合金が、従来Mg合金の結晶構造である最密六方構造(hop)に加え、体心立方構造(hcc)を取り得る点に着目し、その相変態を利用したMg合金の高機能化研究を行ってきた。

その中でhcc型Mg-Sc合金がマルテンサイト変態を起こし、形状記憶特性(超弾性効果)を発現することを見いだした。従来の形状記憶合金(ニチノール)に比べて約70%軽く、航空・宇宙材料など軽量性が求められる工業製品への適用が期待できる。今後実用化に向けて、組成の最適化や生体適合性などの評価を急ぐ方針だ。

研究は日本学術振興会の科学研究費助成を受けて行われた。

研究の詳細は米国のサイエンス誌7月22日号に掲載予定。