2016年07月26日
産総研、電波なしにロボットを安定制御する技術開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

産業技術総合研究所は、電波が直接届かない環境でも、ロボットを安定に制御する技術を開発したと発表した。上空のドローンを経由し、見通し外の小型四輪ロボットを遠隔制御できることを実証した。

産業技術総合研究所は、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラムの一環として、情報通信研究機構(NICT)とのグループで、制御用の電波が直接届かない場所(見通し外)におるロボットを他のロボットを経由して遠隔制御し、かつその状態を監視する技術を開発した。

実験では、見通し外にある小型四輪ロボットに対し、上空のドローンを経由してコントロールすることを実証した。この技術は、ロボット間による中継経路がその移動により、頻繁に切り替わる際でも通信を切断させないことを可能にする手法を採用しており、世界でもまだ実現した例がない。

これまでの技術では、中継経路切り替わるたびに通信が切断され、ロボットがその間、操縦不能になる見通し外を動き回るロボットに対しても、他のロボットが協力して周囲の環境に適応しながら安定に制御通信回路を確保することができ、電波が伝わりにくい環境に対してタフなロボットシステムの実現に貢献できる。