2016年08月08日
京大など、南米原産キヌアのゲノム配列解読に成功
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

京都大学は8日、京大の安井康夫助教授をはじめ国際農林水産業研究センター(JIRCAS)などの共同研究チームが、キヌアのゲノム(生物の設計図)配列の解読に世界で初めて成功したと発表した。

キアヌは、アンデス地方原産の作物で、干ばつなどのさまざまな不良環境に対する適応性が高く、また、高い栄養価と優れた栄養バランスを持っていることから、近年、注目を集めている。

共同研究チームは、分子解析に好適な標準自殖系統(純系の系統)を確立し、そのゲノム概要配列を解読した。また、これらのゲノム配列情報をもとに作成したキヌアのゲノムデータベースを公開した。これら一連の研究成果を通して、キヌア研究が飛躍的に進展するために必須な遺伝子レベルでの研究基盤を確立した。

今後、この研究成果は、共同研究チームが目指している不良環境耐性作物の開発や、アフリカをはじめとする世界の栄養改善に向けた作物開発において、キヌアの高い環境適応性や優れた栄養特性を支えるメカニズムを活かした作物品種の改良につながることが期待される。