2016年08月09日

昭和電工、LIB用導電助剤「VGCF」設備増強

【カテゴリー】：経営 【関連企業・団体】：昭和電工

昭和電工は9日、リチウムイオン電池（LIB）向け正負極用導電助剤「VGCF（気相法炭素繊維）」の需要増大に対応するため、川崎事業所の生産能力を増強すると発表した。現有年産200トンの生産設備を、2017年末までに段階的に同300 トンへ引き上げる。 LIB材料市場は、スマートフォンなどの小型用途に加え、車載用など大型用途向けの需要が急拡大している。特に中国では電気自動車市場が大幅拡大しており、欧州でもCO2排出量規制などから電気自動車の普及が進むとみられている。 「VGCF」はLIB の正極材、負極材いずれにも添加される導電助剤。LIは充放電を繰り返すことで膨張・収縮するため、活物質同士の接点が徐々に失われるが、導電助剤は接点の失われた活物質同士をつなぎ、電池の劣化を抑制する働きを持つ。粒子状の導電助剤に比べて繊維状ため分散性が高く、少量の添加でLIB の高容量化、長寿命化を可能にする特徴がある。熱伝導性に優れ、LIBの安全性向上にも寄与する。 昭電は今年度スタートした新中計で、LIB 材料を「優位確立」事業と位置付け、積極展開していく方針を決めた。2018年には同事業の売上高300億円を目指す。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file4_1470723879.pdf