2016年08月10日
京大、「またいとこ」がわかるDNA判定法開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

京都大学は10日、玉木敬二教授(医学研究科)らの研究グループが、口腔内細胞のDNAを用いて、これまで親子・兄弟までしかできなかった2人の間の血縁関係を「またいとこ」(いとこの子ども同士)まで判定できるDNA鑑定法を開発したと発表した。

この研究の結果、従来はほとんど判定できなかった2人の間の血縁関係(おじと甥、祖父と孫、いとこ同士、またいとこ同士など)が高い精度で判定できるようになった。

DNAは非常に小さくたたまれて染色体として親から子に伝わる。血縁が近い人同士は、血縁の遠い人や他人に比べて染色体の共有が多い。血液鑑定では、この染色体の共有がどれほどあるかを検出し、血縁関係を判定する。現在のDNA鑑定法では、2人の間の血縁関係は、親子、兄弟までしか完全には判断することができなかった。

京大研究グループは今回、独自の「染色体共有指標(ICS)」を用いることで、遠い血縁関係でのわずかな染色体の共有を検出することに成功した。この方法を使うと、性別に関係なく、2人の関係が遠い血縁関係でも判断できる。またいとこ同士の場合、94%の確率で鑑別できることがわかった。大規模災害などの場合、身元確認に役立つと期待される。

同成果は米国科学誌「PLOS ONE」に掲載された。