2016年08月17日
旭硝子、iPS細胞用大量培養プラットフォームを開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:旭硝子、旭化成イーマテリアルズ

旭硝子はiPS細胞等を培養する微細加工細胞培養容器「EZSPHERE」(※)を開発するとともに、日本医療研究開発機構(AMED)プログラムの支援で、同容器を使って均一な細胞塊状のiPS細胞を大量調整し、同一容器内で目的細胞に分化誘導することに成功したと12日発表した。

同研究成果をまとめた論文が英国Nature Publishing Groupの電子ジャーナル「Scientific Reports」8月10日付オンラインに掲載された。

iPS細胞など多能性幹細胞の臨床応用には、細胞塊を大量調整する必要があるが、これまでの方法では金膣な細胞塊の調整に限界があった。旭硝子グループはプラスチック製培養器の表面にレーザーで数百μm(マイクロメートル)径の小孔を形成し、さらに低接着性の特殊コートを施した培養器「EZSPHERE」で培養した結果、培養器表面への細胞接着が抑制され、短時間で効率的に均一な細胞塊が形成された。さらに同一の培養器で目的細胞への分化誘導に成功した。

※用語の解説
■「EZSPHERE」とは:既存のポリスチレン製のディッシュやプレートなどの培養容器の底面をCO2レーザー照射で微細加工し、孔約200~1400μm、深さ約100~400μmの微笑な小孔が培養面一面に等間隔で隙間なく形成され、さらに細胞接着を抑制するポリマーコーティングが施された特殊な培養容器。AGCテクノガラス社が開発・製造・販売している。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1471396408.pdf