2016年08月19日 |
東大、気管支喘息を制御する新分子機構解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東京大学 |
東京大学の秋山徹教授(分子細胞生物学研究所)らの研究グループは19日、気管支喘息を制御する新しい分子機構を発見したと発表した。RNA結合タンパク質Mex-3Bが気管支喘息の発症を制御していることを見出した。 これまでは、インターロイキン33(IL-33)というタンパク質が重要な機能を担っていることが明らかになっているが、IL-33の量を制御する機構についてはあまり分かっていなかった。研究グループは気管支喘息マウスを使い、RNA結合タンパク質Mex-3BがIL-33の発現を促進することによって気道炎症を促進していることを発見した。さらにMex-3Bに対するアンチセンス核酸の噴霧・吸入によって気道でのMex-3Bの働きを抑え、気道炎症を抑制できることも明らかにした。 Mex-3B遺伝子を欠損したマウスは正常に発達し、成体でも異常が認められないことから、Mex-3Bを標的とした薬剤は、副作用の少ない新機序の気管支喘息治療薬となり得ると期待される。 研究成果は米国の学術雑誌学誌「Cell Reports」に掲載された。 |