2000年09月06日 |
住友化学、新プロセスで千葉にPO20万トン新設へ |
2002年に稼働、海外立地も検討 |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:旭硝子、住友化学、トクヤマ、日本オキシラン |
住友化学は6日、PO(プロピレンオキサイド)の新製造プロセスを自社開発、2002年に千葉工場において年産20万トンクラスの商業プラントを新設する方向で起業化の検討に着手した、と発表した。 POは、塩素を使用する塩素法、SM(スチレンモノマー)などを併産する併産法などで製造されているが、新製造プロセスでは高性能新触媒の開発により、併産品が生成されず、コンパクトでかつコスト競争力を持つ製法となっている。 同社では、これまで関連会社の日本オキシランでSM併産法によるPOの製造・販売を行ってきたが、今回開発した新プロセスによりSM需要に左右されず、POの需要に即応した生産体制を整える方針。 新設備については、同社が建設・製造運営を行い、日本オキシランを通じて販売する。また、この技術を武器として海外立地を行い、積極的な事業展開を図る予定。 POは、PPG(ポリプロピレングリコール)、PG(プロピレングリコール)、界面活性剤などに使用され、それらの用途はポリウレタンフォーム、エラストマー、塗料、接着剤、不飽和ポリエステル樹脂など多岐に渡っている。今後POの国内需要は、非フォーム分野の伸びが期待され、全体としても安定した推移が見込まれている。一方、アジア地域では高成長を続けており、ポリウレタンフォーム分野を中心に年率7~8%の伸びが期待されている。 現在、国内のPO生産能力は日本オキシラン17万トン、旭硝子11万トン、トクヤマ7万トンの合計約35万トンだが、旺盛な需要により日本オキシランでは定修年に多量の輸入をせざるを得ない状況となっている。同社では20万トンクラスの設備を新設することにより、こうした供給不足を解消するとともに、さらなる事業の拡大を図ることになるとしている。 |