2000年09月05日
東ソー、PPSは自動車のリフレクターなどに注力
国内向けへのシフト進め輸出比率を半減
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:東ソー

 東ソーは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)事業において、自動車のリフレクターを注力分野の1つに位置付け、今後BMC(バルク・モールディング・コンパウンド)代替を狙って行く考えだ。また現在、PPSは内外とも需要が好調に推移しているが、今後は国内向けへのシフトを進め、輸出比率を現在の30%から15%程度に半減していく考え。
 同社は、四日市に年産2,000トンのベースレジン設備を有し、約4,000トンのコンパウンド製品を販売している。IT関連需要の成長とアジアの経済回復も手伝って内外ともに需要が好調なことから、昨年末頃からフル生産、フル販売が続いている。同社はこれまで米GEプラスチックスに年間400トン前後のベースレジンを供給、GEがコンパウンド化して米国で展開していたが、昨年秋にGE側の方針もあって、現在は供給を停止している。しかし、2000年問題対応の前倒し需要を含め需要が好調に推移したこと、また拡販を進めた結果、特に大きな影響はなかった。
 同社のPPSの用途別販売比率は、自動車向けが50%、電気・電子向けが35%、その他が15%程度となっており、現在は電気・電子向けの比率が高まる傾向にある。ただし同社は、今後期待する分野の1つとして自動車のリフレクターを挙げており、同用途については積極的に展開していく方針だ。これまでリフレクターは、不飽和ポリエステルを用いたBMCが用いられてきた。依然としてBMCは最適な材料とされているものの、ランプメーカーが環境対応の観点から一部でPPSを検討、採用する動きが出てきている。リフレクター向けのBMCの需要は1万トン前後と推定されており、PPSの採用が進めばかなりの需要が期待できるだけに、東ソーとしても開拓に注力して行く考え。
 さらに同社は、内外とも販売は好調なものの、輸出に比べ国内向けの方が採算面で有利なことから、今後は現在30%程度ある輸出比率を15%程度まで削減して行くことにしている。