2016年09月15日

三井化学とNTT、化学製品の「品質予測」にAIで成功

【カテゴリー】：新製品/新技術 【関連企業・団体】：三井化学

NTTコミュニケーションズ（NTT Com）と三井化学の両社は15日、AI（人工知能）を用いて化学プラントで製造される製品の「品質予測」に成功したと発表した。原料や炉の状態などの「プロセスデータ」と、ガス製品の品質を示す「Xガス濃度」との関係をAI技術を用いてモデル化することで実現した。 これまで化学プラントの安全性や異常検知は、特定プロセスのデータによる自動検知や、経験を積んだ従業員の目視に多くを頼ってきた。このため両社は、プラントの異常検知の精度を向上させ、運転効率の向上につなげようと2015年から共同研究に取り組んできた。三井化学のガス製品プラントを実験に使い、プラントから収集される原料ごとの流量や圧力、反応炉内部の温度などのデータをNTT Comが開発したAI技術の一種であるディ－プラーニング（深層学習）技術により分析・予測するモデルの開発に取り組んだ。 今回の実験では、ガス製品プラントに投入する全原料の温度、圧力、流量など51種類のプロセスデータと、Ｘガス濃度の値との関係を事前に学習させることで、ガス製品濃度を推定するモデルを構築した。その結果、20分先の未来の製品の品質を高精度で予測する技術を確立した。 今後はさらに精度を高め、「化学プラントの未来の状態」や「製品の品質異常」を予知できるようにする。さらに製造ラインの調整を即時に行うなど、化学プラントの「安全・安定運転」に寄与していく方針だ。三井化学では IoTやビッグデータ、AIなどを用いた次世代生産技術として活用していくとしている。 NTT Comｍは10月6日～7日、東京・港区のザ・プリンスパークタワー東京で開催される「NTT コミュニケーションズ・フォーラム2016」に展示する。 ニュースリリース http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1473919859.pdf (英文) NTT Communications and Mitsui Chemicals Succeeded Quality Prediction of 　・・・ http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1473919859.pdf