2016年09月23日
射出成形可能な「間伐材利用プラスチック」開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:アイ-コンポロジー

プラスチックに間伐材を混ぜ合わせた「ウッドプラスチック」を普及させ、未利用資源の有効活用とCO2の大幅排出削減を図ろうと、4月にアイ・コンポロジー社(本社:東京都品川区、三宅仁社長)が誕生し活動を開始した。

「ウッドプラスチック」自体はすでに“腐らない木材”として、ウッドデッキなどの建築分野で使用されているが、いずれも押出し成形法で製造されたもので、三次元の成形品が量産できる射出成形法は溶融粘度や熱分解性などに技術的な課題があり実現できなかった。このほど独自の材料技術で、ふつうのプラスチックと同じように射出成形可能なウッドプラスチック複合材料を開発した加工メーカーが現れたところから、三宅氏らが用途開発に乗り出すことにした。

ベース樹脂にポリプロピレンやポリエチレン、ABS樹脂などを使用し、間伐材木粉を30%~50%混ぜる。見た目に美しく、肌ざわりがいい。弾性率や耐熱性はベース樹脂よりも優れ、着色や接着も容易という、新タイプの複合材として今後、市場拡大が見込めることが分かった。

三宅氏は出光興産の出身。中央研究所(現先進技術研究所)でポリマーの研究を担当してきた。「間伐材の利用というのは昔からの夢だった。世界初の技術としてこれから需要・用途を広げていきたい」と話す。コストは若干かかるが、量産化によって解決すると、あまり気にしていないようだ。

9月28~30日に東京ビッグサイトで開催される「Nプラス 材料・技術複合展」に出展し紹介する。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1474602288.pdf