2000年09月01日
日化協、LRIの今年度の採択研究を決定
「化学物質発がん」と「過敏症」で計8件
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本化学工業協会

 日本化学工業協会は1日、LRI(ヒトの健康や環境におよぼす化学物質の影響に関する長期的自主研究)の今年度の採択研究案件を決めた。
 化学物質の発がんに関する研究として5件、化学物質による過敏症に関する研究として3件の計8件が対象。日化協では、国内の大学や公的研究機関に実際の研究を委託していくことにして公募したところ33件の応募があった。今回はその中から8件を選んだもので、9月から来年8月までの1年を一応の実施期間として研究を委託していく。委託研究費は、化学発がん関連が3,300万円、過敏症関連が2,700万円の合計6,000万円。
 具体的な研究領域と研究者名は以下の通り。なお、同協会ではエンドクリン問題についての研究もLRI活動の一つとして取り上げていくことにしており、現在具体的な研究テーマを検討中。
 
 {今年度のLRI採択研究領域と研究者名。かっこ内は研究費}
 
 [化学発がん](1)非変異・発がん性物質の予測法の開発=食品薬品安全センター梅田誠氏(300万円)、関西学院大学山崎洋氏(550万円)、日本歯科大学筒井健機氏(700万円)、国立がんセンター研究所牛島俊和氏(750万円)(2)リスクアセスメントにおける発がん性物質の閾値に関する研究=大雄会医科学研究所萩原昭裕氏(1,000万円)。
 [過敏症](1)化学物質により誘発される即時型アレルギーの免疫系との関連性=東京大学医科学研究所松島綱治氏(1,000万円)(2)化学物質が免疫反応系におよぼす影響に関する研究=大阪府立公衆衛生研究所中野ユミ子氏(700万円)、北海道大学遺伝子病制御研究所西村浩司氏(1,000万円)。