2016年10月13日 |
理研、水中・室温・無触媒でのアミド化反応発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:理化学研究所 |
理化学研究所は13日、田中克典同所研究員らの研究チームがプロパルギルオキシ基を持つ電気的中性のエステル(プロパギルエステル)と疎水性の1級アミン(RNH2)を混ぜ合わせると、水中または有機溶媒中で、触媒を用いず室温で「アミド結合(-NHCO-)」が形成されることを発見したと発表した。 ただ(1)基質のエステルに三重結合を持つプロパルギルオキシ基があること(2)エステルのα位にアミノカルボニル基があること(3)反応させる1級アミンには直鎖で疎水性の置換基があること、の3条件が揃った場合にのみ効率的に反応が進行した。また、計算化学の手法により、この反応が起こるメカニズムを突き止めた。ペプチドの末端を選択的にアミド化反応で修飾することや蛍光標識することにも成功した。 同研究成果は、ペプチド合成やペプチドの選択的な修飾だけでなく、分子同士を選択的につなぐ新しい方法として利用が期待できる。 同研究は、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業などの助成を受けて行われた。 研究成果は、ドイツの科学雑誌「Chemistry-A European Journal」のオンライン版(10月12日付)に掲載された。 |