2016年10月20日
昭和電工、ドイツ黒鉛電極買収、世界シェア首位へ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:昭和電工

昭和電工は20日、ドイツに本社を置く黒鉛電極メーカーで生産能力世界第2位のSGL GE社 を156億円で買収することで合意したと発表した。10月20日に株式売買契約を締結、2017年央に株式取得の予定だ。世界3位の昭電は今回買収で世界シェア30%となり首位に立つことになる。

黒鉛電極の世界市場は、今後も年率1%程度の低成長で推移するとみられ、需要の伸び悩みと競争の激化など、厳しい事業環境が続くと予想されている。こうした中で、ドイツ、オーストラリア、スペイン、アメリカ(2拠点)、マレーシアに生産拠点を持つ今回のドイツ企業の買収は、昭電の生産拠点と合わせると全世界の重要拠点をカバーできるようになる。同社では「世界トップ水準のコスト競争力をもつ設備を欧州、米国、アジアに配置した生産、販売体制が構築できる」としている。(1)コスト競争力の強化(2)グローバル運営による固定費削減(3)生産地域の最適化による物流・サプライチェーンの効率化など、大きな効果が期待できる。

市川秀夫同社社長は、「将来性を考慮して、株式取得を判断した」と強調し「今回の事業統合の効果を発揮していくことが黒鉛電極事業の競争力向上につながると考えたた」と語った。

昭電はこれまで、主にアジア、米国の2地域を中心に黒鉛電極を供給してきたが、SGL GEの取得により、欧州を含む全世界をカバーすることになり、黒鉛電極のリーディングサプライヤーとしての地位を確立することになる。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1476947931.pdf