2016年10月21日
東大、必須アミノ酸バリンの欠乏が造血幹細胞に影響
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東京大学

東京大学医科学研究所の山崎聡特任准教授らの研究チームは21日、必須アミノ酸バリンの欠乏が体内の造血幹細胞を減らし、バリンの濃度が非常に低い環境で細胞分裂や生着能力が失われることを発見したと発表した。バリンが欠損した人工飼料をマウスに与えることで生体内での造血幹細胞減少を見出した。

また、この発見は血液疾患や免疫不全患者が造血幹細胞移殖を受ける際の放射線照射による合併症リスクの減少につながる。侵襲性の高い放射線療法に代わる、安全で効果的な新規造血幹細胞移殖が受けられるようになることが期待される。

動研究成果は10月20日付(現地時間)の米国科学誌「Science」オンライン版に掲載される。