2016年10月25日 |
農研機構、DNA鑑定で有害線虫を多種同時診断 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:農林水産省 |
農業・食品産業技術組合研究機構(農研機構)北海道農業研究センターは、DNA鑑定により、畑に発生している有害線虫(ネグサレセンチュウ類、ネコブセンチュウ類)の種類を線虫の専門家でなくても一度に判定できる多種同時診断技術を開発した。 同じ作物頻繁に栽培していると有害な線虫が繁殖して、収量が激減するなどの被害が生じることが多い。だが線虫は種類によって防除法が異なるため、発生した線虫の種類を見分け適切な手法を選んで防除する必要がある。 今回開発された手法は、国内の畑地に発生する有害線虫(ネグサレセンチュウと、ネコブセンチュウ計13種類)について、DNAを抽出し、(1)1回のPCR増幅(2)操作後に電気泳動―により分析するという作業工程だけで、同時かつ高精度に種を判定できる。 この技術を用いることにより、線虫分類に関する専門的な知識がなくても、線虫の診断が可能になる。線虫の調査技術が簡便化されることで、線虫による被害の把握や防除対策をより早く、確実に行えるようになる。地域の農業試験場おいて有害線虫の新規診断法として活用されることが期待される。 農研機構は今後、サツマイモネコブ、アレナリアネコブ、ジャワネコブについても同様に種判定できる技術の開発を目指す方針である。 |