2000年08月31日
変性PPE、主力のハウジング用途に加え樹脂改質用途が好調
一方で単価は下落~今後のコスト競争力強化が課題
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:旭化成、三菱ガス化学

 変性PPE(ポリフェニレンエーテル)は、ノンハロゲン化の波を追い風にOA機器のハウジングやシャーシ向けを中心とした需要が伸びているが、最近はこれに加えPS(ポリスチレン)向けを中心とした樹脂改質用途も好調に推移している。
 OA機器のハウジングなどに用いられる難燃材料は近年、ヨーロッパを中心にノンハロゲン化が進んでおり、その中で変性PPEはIT関連需要の成長とあいまって、PC/ABSやPC/PSなどのアロイとともに需要が急速に拡大している。また国内需要においては、自動車生産台数の回復にともなって自動車向けも順調に推移している。
 これに加え最近は、PSなどの難燃グレードの耐熱性や剛性を向上させる樹脂改質剤としての需要が拡大、年率10~15%の勢いで成長しており、グラフに示したように生産量も月9,000トン前後に増えつつある。
 こうしたことからメーカー各社の設備はフル稼働となっているが、その反面単価は下落傾向にあり、コスト競争力の強化が必須となっている。先頃発表された旭化成工業と三菱ガス化学のシンガポールにおける合弁計画も、こうした状況に対応するためのものと見られ、今後競争はますます激化していく見通しだ。

<参考>
http://c-nt.co.jp/news/ppe.jpg