2016年11月10日
日本ゼオン、SGCNTとゴム複合のシート系TIM開発、量産化へ
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:日本ゼオン

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は10日、日本ゼオンがスーパーグロス(SG)法によるカーボンナノチューブ(SGCNT)量産工場稼動に続き、SGCNTにフッ素系ゴムを複合した高性能なシート系熱界面材料(TIM)の開発に成功したと発表した。日本ゼオンは来月、この開発成果を活用した量産化のためのパイロットプラントを竣工する。2017年4月から本格運転に入る予定だ。

日本ゼオンが開発したTIMは、シート状でありながら、従来のグリース系TIMよりも優れた低熱抵抗を実現した。高い柔軟性と密着性を有する。少ないSGCNT量での熱伝導パス形成を可能にした。これまでのグリース系は、均一に塗布しにくいなど、作業性・信頼性の問題も指摘されていたが、新開発のシート系TIMはこれらの問題も解決した。

これにより、サーバーやパワーデバイス中の半導体温度を大きく下げることが可能となる。こうした発熱問題を解決する部材として今後の需要拡大が見込まれる。
パイロットプラントは、子会社ゼオン化成の茨城工場内に完成した。来年4月までにTIMの安定生産技術を確立し量産開始する予定だ。

同研究は、NEDOプロジェクト(低炭素社会を実現するナノ炭素材料実用化プロジェクト)の助成を受けて行った。


関連ファイル:日本ゼオン ホームページ
「産総研と文部科学大臣表彰受賞」(2016年4月12日付
http://www.zeon.co.jp/press/160412.html?prt=true&css=
「産総研とCNT実用化研究ラボ設立」(2016年6月3日)
http://www.zeon.co.jp/press/160603.html?prt=true&css=


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1478754918.pdf