2016年11月16日
三井化学・長期目標、2025年の営業益2000億円、成長投資1兆円
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学
淡輪 敏社長

三井化学の淡輪敏社長は16日、2025年を目標にした長期経営計画を策定したと発表した。毎年3カ年計画をローリングしながら25年の最終目標達成にこぎつける。
25年の計数目標としてまず、営業利益2000億円(16年度880億円)の達成を第一に掲げた。
そのために必要な条件として、売上高2兆円(同1兆1740億円)、ROE10%以上(同12.8%)、NetD/E 0.8%以下(同0.9%)を設定した。

また、目標達成に向け期間中に総額1兆円の成長投資を行う。うち4000億円を戦略投資とし
M&Aや企業間提携に意欲的に取り組む。既存プラントの維持・管理費などはこの成長投資に含まない。1兆円の成長投資は過去10年間の約3倍規模となる。研究開発費は25年時点で年間700億円を見込む。16年度比約2倍の予算規模となる。

こうした積極的な投資を通じて、基本戦略である(1)イノベーションの追求(2)海外市場への展開加速(3)既存事業の競争力強化ーを果たし、営業利益2000億円の“新たなステージ”を迎える。

成長をけん引するのは「モビリティ」「ヘルスケア」「フード&パッケージ」の3事業領域だが、新たに「次世代事業」が加わり、これまで同社を支えてきた「基盤素材」部門と一体になって、グローバルな拡大を目指す。

淡輪社長は「目標のハードルは高いが、全力で取り組めば不可能ではない。成長投資1兆円をどう使うかは、具体的に何もまだ決まっていない。工場の現有設備はいずれも手いっぱいだし設備投資関連が中心になるだろう。成長領域3分野と次世代事業に大半を充てるようにしたい。(1兆円も)使いきれるのかという気もするが、絵に描いたモチにはしないつもりだ」と表情を引き締めていた。