2000年08月29日 |
昭和電工、光通信向けインジウム・リンを増産へ |
2001年までに総額30億円の設備投資を実施 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:昭和電工 |
昭和電工は29日、光ファイバー通信の発光素子および受光素子材料として需要が急増しているインジウム・リン(InP)ミラーウエアーおよびエピウエハー設備の増設を決定した、と発表した。秩父事業所に2001年春までに総額30億円の設備投資を実施する。 InPエピウエハーについては、生産能力を2001年夏までに現状比3倍増の能力へ増強するが、そのうち前倒し分とし2000年10月までに現状比80%増強工事を進行中。InPミラーウエハーは、生産能力を2001年夏までに現状比3倍増の能力へ増強するが、そのうち前倒し分とし2001年3月までに現状比倍増する工事を進行中。 これらの設備投資により、InPの売上高を2000年の20億円(予想)に対し、2001年に35億円、2002年に50億円を見込む。 同社の化合物半導体事業全体では2000年に150億円の売上を見込むが、InPの急増に加え、主力事業のLED材料および移動体通信用GaAsミラーウエハーの伸長により、2002年には220億円の売上を見込む。 InPは、光ファイバー通信において、インターネット通信での伝送情報量を飛躍的に拡大するDWDM(高密度波長多重)方式の普及に伴い、とくに今春から需要が急拡大している。 同社は、InPミラーウエハー、エピウエハーを一貫生産し、とくにMOCVD(有機金属気相成長)法を用いたエピウエハーは、品質、販売数量ともトップメーカー。 InPをはじめとする光通信用ディバイス全体の市場規模は世界で3,000億円程度と推定され、現在北米市場を中心に年率50%を越える勢いで拡大している。今後、欧州、日本でもDWDM方式の普及により、年率40~50%の拡大が期待されている。 |