2016年11月25日 |
東農大、光で遺伝子発現抑制「人工センサー」開発 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:科学技術振興機構 |
東京農工大学大学院(生命機能科学)の早出広司(そうで・こうじ)教授らの研究グループは24日、シアノバクテリア由来の光センサータンパク質を改造し、赤色光照射下で遺伝子を発現させ、緑色光照射下では厳密に遺伝子発現を抑制する「人工センサー」の開発に成功したと発表した。 遺伝子組換え微生物を用いるバイオプロセスの物質生産にはタイミングが重要で、その微生物を増殖させた後、遺伝子からタンパク質を合成させると、効率よく大量の物質が生産できる。遺伝子発現のスイッチとして、光合成を利用し、遺伝子の発現をオン・オフする仕組みはこれまでも注目されてきたが、必要のないときにも完全にオフにならないなど発現の制御や利用できる色の少なさに問題があった。 研究グループは今回、赤色光照射下で遺伝子発現をオンにし、緑色光照射下ではオフにできる人工センサーの作製に成功した。厳密に遺伝子発現のオン・オフが制御できる。これにより細胞の挙動を光で制御する可能性を大きく広げた。今後は大腸菌などさまざまな微生物を用いたバイオプロセスの研究の加速が期待される。 同研究は、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業の一環として行われた。 同成果は11月24日付(英国時間)に英国科学誌「Scientific Reports」オンライン版で公開される。 |