2016年12月05日 | |
山本東ソー社長「米国の経済政策、直接的影響少ない」 | |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:東ソー |
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東ソーの山本寿宣社長は2日記者会見し2016年度の通期業績について「営業利益850億円、純利益540億円と当初予想を上回る見通しだ」と明るい見通しを発表した。増益要因として、ナフサ価格の下落とアジアでの製品市況の改善を挙げた。 16年度の通期予想は売上高6,900億円で当初予想に対して300億円のマイナスとなるが、営業利益は予想比130億円増の850億円、経常利益は同80億円増の720億円、純利益は同70億円増の470億円に達する見通し。 営業利益850億円のセグメント別内訳(カッコ内は当初予想 単位:億円)は ◇石油化学 165(150) ◇クロル・アルカリ 306(190) ◇機能商品 314(319) ◇エンジニアリング 65(61) となる。 石油化学セグメントは四日市のエチレンプラントの稼働率が上期98%、下期100%と好調だった。ウレタンはスプレッドが大幅改善した。クロアリは主力のビニルチェーンが全体の最適化を実現。機能商品部門ではエチルアミンなどが収益拡大に貢献し市場での存在感を示した。バイオサイエンスは計測・診断事業が好採算を持続した。 16-18年度の現中計では、最終目標として売上高7,500億円、営業利益850億円、営業利益率10%以上、ROE10%以上、自己資本比率50%以上などを掲げているが、山本社長は「事業ポートフォリオの見直しも順調だ」と目標達成に自信を示した。 また、「米国トランプ大統領の誕生をどう思うか」との記者側からの質問に「保護主義を掲げているし、円高で進むだろう。ビジネスへの影響だが、当社はアメリカに工場をもっているし、製品の輸出もそれほど多くはないので直接的な影響はあまりない。それより取引先のお客がどうか。間接的な影響は避けられないと思う」と、ユーザーへの影響を気遣っていた。 原油価格の動向についての質問には「OPECが減産合意したようだし価格は上がるだろう。50ドル強にはいく。すると米国のシェールが出てくる。60ドルまでいくか、というところだ。いずれにしても当社の新中計には織り込みずみだし想定の範囲内となる。ナフサ価格も上がることになる。今年度下期予算では36,000円を前提にしたが、製品価格に転嫁できるかがこれからの勝負になる」ときっぱりした口調だった。 |