2016年12月26日 |
NIMS、全個体LiBの電位分布変化可視化に成功 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:物質・材料研究機構 |
物質・材料研究機構(NIMS)は26日、全固体リチウムイオン二次電池の複合正極材料で、充放電前後での電位分布の変化をナノスケールで可視化することに成功したと発表した。 固体電解質を使った全固体リチウムイオン二次電池は、その高い安全性やサイクル特性から、次世代蓄電池として期待されている。しかし、液体の電解質に比べて電極-固体電解質界面でのリチウムイオン伝導抵抗が高く、高い出力密度が得られないという課題があった。 今回、研究チームは、測定用試料の切り出しと断面処理から、走査型プローブ顕微鏡を使った電位分布の計測まで、すべての操作を不活性ガスまたは真空中で行う手法を開発し、電池の性能を保ったまま、電池の充放電に伴う複合正極中の電位分布の変化を高い空間分解能で可視化することに成功した。 この手法を全固体リチウムイオン二次電池(太陽誘電より提供)の評価へ応用したところ、複合正極の固体電解質中でマイクロメートルのオーダーでリチウムイオン濃度が減少している領域が広がっていること、また、充電状態が場所によって異なり不均一であることが示唆された。 同成果は、英国王立化学会誌「Nanoscale」オンライン版で12月21日に公開された。 |