2000年08月25日
米国・独禁法監督庁、BASFの武田薬品ビタミン事業買収を認可
今後は欧州および各国の独占禁止法関係当局の審査待ち
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:BASF、武田薬品工業

 独BASFは25日、米国の独禁法監督庁が武田薬品工業のビタミン事業買収を認可した、と発表した。
 同社は、ビタミンバルク事業で世界2位のメーカーであり武田薬品のビタミンバルク事業について、一部資産譲渡をともなう事業提携に合意、契約書に調印していた。今後は、欧州および各国独占禁止法関係当局による審査の終了を待つことになる。
 統合後の事業概要は、世界のビタミンバルク市場で約30%のシェアを確保、医薬・食品、飼料分野に幅広いビタミン製品を提供、効率の高い営業ならびに販売組織を確立、技術面およびコスト面における世界的なリーダーシップを発揮することになる。
 BASFは、ビタミンA、同Eなど、脂溶性ビタミンを主力とし、同社の健康・栄養部門のファインケミカル事業の中核を成している。なお同事業部の1999年売上高は14億ユーロで、このうち医薬、食品、飼料分野向けビタミンの売上高は5億ユーロとなっている。
 一方、武田薬品のビタミンバルク事業は、フード・ビタミンカンパニーとして、日本のほか米国、ドイツなどに拠点を有している。ビタミンC、B1、B2、B6、葉酸などの水溶性ビタミンの世界市場において、医薬・食品分野を中心に事業を展開、世界のトップメーカーの一角に挙げられており、1999年度はビタミンバルク事業で255億円の売上高を記録している。
 今回の提携では、武田薬品はBASF一部資産を譲渡、日本においては、ビタミンバルク事業の合弁会社(BASF66%、武田薬品34%)を設立、日本市場における両社のビタミンバルクの販売を担当する。日本以外では、BASFが統合されたビタミンバルク事業の全販売権をもつ。BASFは武田薬品がもつビタミンB1、B2、B6、C、葉酸などのビタミンバルク製造技術・特許を獲得する。