2017年01月10日
東大と理研、植物の水欠乏時の成長促進機構を発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所、東京大学

東京大学の篠崎和子教授(農学生命科学研究所)らと理化学研究所の共同研究グループは7日、植物の水分欠乏時の成長促進機構を発見したと発表した。水分欠乏ストレス時に働く成長促進機構を分子レベルで明らかにした。
作物の干ばつや塩害による水不足に適応し、成長や収穫を向上させる技術の開発につながると注目される。
植物科学専門誌「Nature Plants」1月6日付オンライン版に掲載された。

植物の水不足は、日照りが長く続いたり、海水を被るなど、さまざまな生育環境下で引き起こされる。植物にとって水は光合成に必要で種々の細胞活動の維持に不可欠。水欠乏ストレスは植物の生存を脅かす最も危険な環境ストレスの一つでもある。共同研究グループは今回、植物の基質タンパク質キナーゼと、その下流で働く因子がが水欠乏ストレス環境下で不要なmRNA(遺伝情報を転写するRNA)の分解を活性化して植物の成長を促進させる役割を果たしていることを明らかにした。
今後、水分欠乏ストレス時でも植物が成長し収穫向上できる技術への貢献が期待される。