2000年08月25日
三菱化学、シンガポールでの1.4BD建設でFS開始
2004~2005年、年産5~10万トン規模
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:BASF、三菱化学

 三菱化学は、1.4BD(1.4ブタンジオール)事業のアジア展開を加速させているが、次期拠点としてシンガポールでのプラント建設を視野に入れたFS(フィジビリティー・スタディ=事業化調査)を開始した。2004~2005年完成で自社技術のブタジエン法による年産5~10万トン規模のアジアでの第4拠点づくりを目指す。
 同社の1.4BDは、自社技術のブタジエン法により国内では四日市事業所に5万トン設備を持っている。さらに韓国ではBASFに同製法をライセンス、今年初めに5万トン設備が完成、年間1万トンの引取りを10月から開始する。さらに台湾においても南亜プラスチックスが建設を進めていた年産4万トン設備が5月に完成、9月にはオンスペックに入り、10月から商業運転を開始する。同拠点からも年間1万5,000トンの引き取り枠を確保しており、年内には日本・韓国・台湾のアジア3拠点で7万5,000トン体制が確立することになる。
 さらに同社では、2002年に四日市事業所において5万トンの増設を決めているが、1.4BD誘導体事業の展開も同時に加速させており、11月には四日市のPTMG(ポリテトラメチレンエーテルグリコール)2万トンの新設備が完成、2002年にはPBT(ポリブチレンテレフタレート)6万トンを建設することから、増設する1.4BDはこれらの原料として位置づけられることになる。
 こうしたC4ケミカル事業の展開を一段と強化するため、2004~2005年の次期計画として5~10万トンの新増設を実施、アジアでのメインサプライヤーとしての地位を確固たるものとする方針だ。